2022-01-01から1年間の記事一覧

並行の線

隣で眠る貴方を見ていた。なぜわたしの前でそんなに安らかに眠れるのかわからなくて、その瞑られた瞳の綺麗な並行の線を見ていた。 誰もわたしをわたしの望むように抱擁できやしないだなんて、なぜあれほどまで自己の何かを守るように思い続けていたのかわか…

かつて

かつて憧憬だったあの冬へ、かつて切望だったあの人へ、かつて共鳴したあの確信へ、 濁りを増して、消えるのではなく覆い隠すよう。わたしの切望は形を変えて、いまも胸元で蟠ってる。その蟠りだけがかつてと何も変わらない苦しさをわたしに与え、その苦しさ…

導火線、共鳴

導火線を編む、編む、編む、編む、編み続けて続けて続けて気が狂いそうになっても編んで編んで編んで編んでまだ足りない。既に編んだ部分をちぎられてまたふりだしへ、そんな落胆ばかり。 考えてきたことが価値を持たないなら、苦しんだことが反動にならない…

恋とは箱庭で、互いの安寧や切望を持ち寄っては琴線を握るような空間をつくる。すべての関係においてうまく深くまでいきたい、と思っている。うまくいったとしても、死という前提的な破綻があり、ならばどんなにうまくいっても破綻のない関係性を手に入れら…

mirror

首もとのほくろをわたしたちの銀河と名付けたら、重い髪揺らして重い空気巡らせて重い感情で絡み合おう。突拍子もないあなたはユーモアそのものでとってもチャーミング。わたしを攫った高波のきみ、きみがこの世にいてよかった。わたしが怪獣のようにきみの…

幸福

しあわせという漠然たる言葉を微塵切りにして現れた形を万華鏡にかざす。言葉の研磨がしあわせになるための一歩となり、覗いた先の模様を倣う、見えてしまえば簡単なこと。わたしの幸せはなに?夢、箱庭、定点、切望?夢は何?夢はあなた。定点は何?定点は…

冬の日

あなたを差し置いて幸せになんてなりたくないね、心の中はいつも冬の日。雪の代わりに思い出が降る、付かず離れずのまま終わる日々。 わたしは16歳で外に出た日から変わらない場所から世界に視線を向けていて、病質や観念も変わらず携えていて、けれど変わっ…