2021-05-01から1ヶ月間の記事一覧

朱に交われば赤くなると言った通り、醜悪と交わって醜悪な選択肢を得たわたしは自分を殺す理由を増やし、眼鏡を外せば誰の顔も判別つかないような瞳が現れることを喜びながら街を歩く、最低な日々。この身を装飾する美の権化たちが飾り立ての意味を持ちわた…

ジルコニア

銀河の奔流より一粒のキュービックジルコニアを頂戴、私がかけてほしい言葉はそんなんじゃない。この頭上には何にもない。一体全体どんな形になればそれが手に入るの?わたしとあなたが個々を喪失したらそれはグロテスクな流体に終わる。とどのつまり未来な…

抱擁の渦中

夢そのものかもしれない曖昧な記憶の中の夢のような言葉、共鳴に溺れた切実な日々、また対照的に瞳で捉えて口角を上げた仄明かりを手に取りあった日々、もう手元には何もないそのひとつひとつを大切に抱えて今日も枕に頭を置く。あの共鳴を体験したくて、過…

箱庭

箱庭の渦中にいたいから夢を愛している。雨音が心地良さを助長して、定点からの抱擁や庇護を身をもって感じられる。わたしのいとしい箱庭。定点に羽化する価値のないどんなうつつも捨て去って、永遠に繋がって踊っていようよ。ねえ。愛していたんじゃない、…

しろたえのきみ

きみというひかりがどんな篝火も跳ね除けるためのラビットフットのように、このからだなどいくらでも切り落としてもかまわないと思うぼくは、きみを愛していると何度でも言おう。 サイテーな値から始まったぼくという個体に、灯台のまわる燈を追うこのまなこ…