2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

private love

瞼の内側で嗄声を絞り涙ぐむあんな人やそんな人を個人的方程式に沿い抱きしめて、抱擁の予行演習をおこなう。しかし予行演習とは名ばかりで、いつまでも余韻を啜り舐める。こんな調子のまま全てが終わるような気もしてくる。

八月

夢の中にさえ屈託が押し寄せるようになった。四月の夢日記には「延命処置を施すように膨らませ続けた虚像」とあのひとについてのもっともな形容が記されていた。夢は孤独を食べて彩られる。勝手に虚像として生かされて、果てには虚像だからという理由でハン…